13 10月 2014
[本] StrategicMind 2014年新装版
大前研一氏の名著「企業参謀」を読んだのは10年以上前。
社会に出たばかりの頃に読んで衝撃を受けました、こんな思考があるのかと。
「ストラテジック・マインド」は、企業参謀に追加、加筆を加えて、英訳本として、1982年にアメリカのマグロウヒル社から発行された『The Mind of the Strategist』を逆輸入し、邦訳した書籍です。
Kindle本の日替わりセールに出ていたので即ポチリ(笑)。
2014年版では今の時代における読み方を大前氏がコメントしてくれているのが嬉しいです。
目次
■第1部:戦略的思考の基礎──革新的戦略の方向を探る
・すべては分析に始まる
・戦略的優位に至る四つの道
・成功のカギ要因(KFS)への絞り込み
・相対的優位性の確率
・先制攻撃の反復
・戦略的自由度(SDF)の利用
・戦略的視野の秘密
■第2部:優れた戦略の構築──戦略的三角関係の視点から
・戦略的三角関係
・顧客に基礎を置いた戦略
・自社に基礎を置いた戦略
・競合相手に基礎を置いた戦略
・全社戦略
■第3部:現代の企業戦略環境──日本企業に何を学ぶか
・経済環境の把握
・戦略的変化への対応
・日本──その神話と現実
・先見性に富んだ意思決定
・成功戦略に公式はない
・すべては分析に始まる
・戦略的優位に至る四つの道
・成功のカギ要因(KFS)への絞り込み
・相対的優位性の確率
・先制攻撃の反復
・戦略的自由度(SDF)の利用
・戦略的視野の秘密
■第2部:優れた戦略の構築──戦略的三角関係の視点から
・戦略的三角関係
・顧客に基礎を置いた戦略
・自社に基礎を置いた戦略
・競合相手に基礎を置いた戦略
・全社戦略
■第3部:現代の企業戦略環境──日本企業に何を学ぶか
・経済環境の把握
・戦略的変化への対応
・日本──その神話と現実
・先見性に富んだ意思決定
・成功戦略に公式はない
内容的には「企業参謀」とかぶっているところも多いですが、「ストラテジック・マインド」の方が構成がしっかりしていて訳も上手で読みやすくはなっています。
「企業参謀」を読んで、その理解を深めるのに本書を読むという流れのほうが、著者の考えが理解しやすいと思います。
当時(30年前)は戦略的思考と3Cというフレームワークを紹介して産業界に衝撃を与えました。
2014年新装版内のインタビューでフレームワークの使用を
この本を出してからの数十年の間に、私はこの3つのCということをあまり言わなくなってきています。その理由は、3つのCだよと言うと、いい生徒ほど3つのCで考えようとします。そうすると、もともとマインド(心、あたま)で考えろと言っているのに、そういった標語のようなものに固執して考えるようになります。フレームワークが非常に危険なのは、「あたまで考えることなく、答えを出すためにフレームワークを使ってしまう」という点です。何か質問が与えられるなど問題が発生すると、どこかのフレームワークを持ってきて答えを見つけようとしてしまうのです。StrategicMind 2014年新装版
フレームワークは戦略的思考に便利だけど、フレームワークに頼って思考停止になると本末転倒だということですね。
とりあげている例は古いものの、戦略的思考のアプローチは全然古くなく、面白く読めます。
本書でもとりあげられている「イシューダイアグラム」がすらすら作れるようになると、思考スピードがあがってとてもいいです。
私も「企業参謀」を初めて読んだ当時よりはかなりできるようになったかなと思っていますが、日々訓練が必要ですね。
現在の大前氏のコメントを知るためにも、一度読んだ人でも面白く読めます。
こういった会社が「スピード」と「スケール」で大きく差別化しています。この2つのSが非常に重要になってきているというのが、今日なのです。時代は大きく変わって、要素そのものは変わらないのだけど、要素間の相対的な重要性というものが大きく変わったというのが「地球時代を反映した」この30年間での変化だと思います。StrategicMind 2014年新装版
それにしても当時の大前氏の本はなかなか手ごわい。
最近の著者の本はとても読みやすいので、ここでも時代を感じます。