歯科医師過剰問題
歯科医院向けのシステム開発にも関わっている関係で、歯科業界の人とはよく話します。
多くの歯科医院を見たりしています。
歯科医過剰問題というのが社会問題化しているそうですが、賑わっている医院は賑わっているし、そうでないところももちろん多いです。
結局、歯科医院も競争が激しくなっているので、経営力が大事なんだと思います。
先日、一般向けに歯科医師過剰問題についてプレゼンしたら、思いがけない反響がありました。
普通は他の業界のことはほとんど知りませんからね。
実態は実際に見てまわらないと分からないのですが、厚労省が提供している一般に手に入るデータからマクロ環境を見てみましょう。
資料:「医師・歯科医師・薬剤師調査」(厚生労働省)、「人口推計」(総務省統計局)より作成
1970年以降、急速に歯科医師数が増えているのが分かります。
保険診療を主体とした上で高収入が得られるという条件では人口10万人に対して50人が妥当とされているそうです。
人口10万当たりの歯科医師数は1984年に50人を超え、それ以降もどんどん増え続け、2012年は80人を超えました。
基準となる50人から6割も多い計算です。
医療費が増えれば歯科医師数が増えても問題ありません。
歯科診療医療費の推移を見てみましょう。
資料:「医師・歯科医師・薬剤師調査」(厚生労働省)、「国民医療費」(厚生労働省)より作成
ここ20年、医療費は伸び続けていますが、歯科診療費は横ばいです。
当然、歯科医師一人あたりの医療費も減少しています。
上記は保険医療のデータで、実際には稼いでいる歯科医師は自費診療(保険がきかない診療)で稼いでたりもします。
しかし、自費診療は件数ベースで数パーセント(金額ベースでは10数パーセント)ですので、マクロを捉える分には十分でしょう。
最後に歯科医師の給料を見ておきましょう。
このデータはサンプルが少ないので、参考程度に。
資料:「賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)より作成