[本]嫌われる勇気

LINEで送る
Pocket

いま話題の「アドラー心理学」を読んでみました。

タイトルだけを見ると、「嫌われることをおそれずに、自由に生きろ」ということかなと感じました。
間違いではないのですが、「嫌われる」ということより「勇気」に重点を置いているようです。

目次

第1夜 トラウマを否定せよ
第2夜 対人関係がすべてである
第3夜 他者の課題を切り捨てる
第4夜 あなたの居場所はどこにあるか
第5夜 幸福に生きる条件とは

アドラー心理学のアルフレッド・アドラーはフロイト、ユングと並び「心理学の三大巨頭」と称されているのですね。
全然知りませんでした。
心理学というよりギリシャ哲学に近いのかな。

本書はアドラー心理学を研究している岸見一郎という哲学者が、アドラー心理学を「青年と哲人の対話」という物語にして分かりやすく紹介したものです。
対話式なので、必ずぶつかるであろう疑問にも答えてくれていて、非常に読みやすいです。

フロイトやユングもかなりの極論に走ることが多いけれど、アドラー心理学は彼らとは対極のことを、さらに極論して言います。

これまでの人生になにがあったとしても、今後の人生をどう生きるかについてなんの影響もない
人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである
「他者からどう見られているか」ばかりを気にかける生き方こそ、「わたし」にしか関心を持たない自己中心的なライフスタイルなのです。
誰かが始めなければならない。他の人が協力的でないとしても、それはあなたには関係ない。わたしの助言はこうだ。あなたが始めるべきだ。他の人が協力的であるかどうかなど考えることなく
過去にどんなことがあったかなど、あなたの「いま、ここ」にはなんの関係もないし、未来がどうであるかなど「いま、ここ」で考える問題ではない。

フロイトが提唱したトラウマは過去の出来事が今の自分を形成しているものでした。(原因論)
アドラー心理学では今の自分のままでいるのに都合がいいから過去の出来事を利用するというものです。(目的論)
トラウマを明確に否定しているのは、これまでの心理学の常識とは違います。

アドラー心理学を簡単に言うと、「変えられるもの」と「変えられないもの」を見極めて、「変えられるもの」を変えましょうということです。

今ある自分は、他者のせいかどうかは関係なく、能力や性格、できない自分をそのままを受け入れます。
対人関係をよくするために他者をただ信用します。
他者が裏切るかどうかは他者の課題であって自分の課題ではないので考えるのはやめます。
その上で、他者に貢献することで人間は幸福だと感じます。

他者の行動(見返り等)に期待しないで、いまの自分ができる精一杯の他者貢献をしましょう、ということですね。

もう少し掘り下げて勉強してみたくなりました。

ダイヤモンド社のウェブサイトで企画されている「アドラー流お悩み相談室」が面白いです。

LINEで送る
Pocket

コメントを残す